2015年3月21日土曜日

ニセモノの映像の方がホンモノよりリアルに見える話

動画投稿の最初の頃は、テスト撮影で試行錯誤しながら
バスの前面展望
ばかり撮ってましたが、最近はYouTubeの60fps対応化に合わせて
鉄道車窓
も撮影・公開するようにしました。

鉄道車窓という動画ジャンルですが、すでに幾多の先行者の方々が貴重な記録を残しており、あえて被るジャンルに入る必要も無いのでは?と普通は思うところです。

しかし既存の鉄道車窓動画については、どうも見続けるのが苦痛な要素が二つありました。
それは次の2点です。
  • 画角が狭苦しくて、車窓というより覗き窓から見ている感覚になる
  • トンネル内での光の映り込みで、隣の方々を見続けることになる
一般に人間の目の画角は35mm~50mmレンズ相当と言われていますが、どうやらこれは意識が注視するものとして脳内トリミングの結果出されるものとのことです。
意識というトリミングの介在しない人間の【眼球】の純粋なスペックは視野角120度、レンズにして10mm~12mm相当の模様です(Wikipedia参照http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A6%96%E9%87%8E)。

左右に流れる車窓を見るという状況での人間の意識について考えます。
12mm相当のスペックの眼球というレンズから、可能な限り左右流れる景色に対して、意識が通常の35mm以上に目一杯の視野情報を取り込もうとするため、とうてい35mm~50mmでは足りず、24mm~28mmでも能力不足となるわけです。
これが前面展望の場合だと、意識がほぼ中心点に向かうため、35mmで普通、28mm(私が常用する画角)で
「うわぁ広い!」
と思ってしまうわけで、ここは人間の意識のおもしろいところですね。

そこで、自分が見続けたいなと思える映像として、
  • 脳内補正前の視野角に近い映像を作る(超広角レンズでの撮影)
  • 脳が「これは実物だ」と処理されるフレームレートを維持する(60fps)
  • 余分な反射物が映像に入ることでの違和感をなくす(反射映り込み防止)
これらの点を撮影機材を工夫することにより克服したのが

「超広角撮影 鉄道車窓」シリーズです

視聴者の皆様からの数々のご好評の意見からも、この見立ては正しかったのだな、と励みになっております。

とまあここまでは自画自賛的なことを書きましたが、実はこのシリーズの動画、逆にふたつの「ニセモノ」を映像に盛り込むことになってしまいました。

ひとつが先日も英語でコメントがありましたが【四隅がゆがんでるよ!】という点。
もうひとつが本来あるはずの窓の反射映り込みがない、という点。
です。

超広角レンズはどうやっても四隅がゆがみます。人間の眼球も本来ゆがんで見えるところを、脳内トリミングと脳内映像処理により、きれいなパースで見えるようにしています。本動画もずーっとゆがんではいますが、脳内処理が麻痺するのかいつの間にか違和感なく見られるようになります。
映り込みについては、意識が映り込みの外の車窓に集中するため、実乗車で見た際は無意識に気にしないようにしている、といえます。その「気にしていない状態」を映像でアシストすることで、没入感を高めています。

というわけで私の撮影する車窓動画の技術的解説を記してみました。

本当は超広角レンズのゆがみについては、ケロコロちゃんの会社がゆがみのないすごいレンズを先日発売したとのことで、試してみたいんですけどねぇ・・・。

カメラ本体より高いというのがもうねぇ('A`)